31歳未経験から17年。キャリアは偶然ではなく設計。
はじめに
未経験でIT業界に入ると、最初にぶつかるのは仕事内容ではありません。
周囲との差です。
私が31歳でIT業界に入ったとき、一番きつかったのはそこでした。
1年目:圧倒的な差と、耐える日々
現場に入ってすぐに気づきました。
自分は、圧倒的に劣っている。
大学理系出身で入社2〜3年目の20代エンジニア。
年下なのに、理解力も会話のスピードも、すべてが自分より上でした。
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用語の吸収速度
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課題の理解速度
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仮説の立て方
全部が違う。
でも、本当にきつかったのは技術そのものではありません。
ある日、障害報告の場面で、自分の対応についてこんな言葉を耳にしました。
まだ、難しいかと思います
直接言われたわけではありません。
横で交わされた会話を、たまたま耳にしただけです。
でも、その一言は強烈でした。
「ああ、自分は戦力としてはまだ見られていないんだ」
年齢のことも、プライドも、一気に刺さりました。
さらに辛かったのは、
年下のエンジニアに気をつかわせていると感じたことです。
本来なら自分が引っ張る年齢なのに、
逆にフォローされている。
それは、想像以上に堪えました。
それでも辞めなかった理由
あのとき、逃げる選択肢もあったと思います。
でも、ひとつだけ自分に問いかけました。
何をめざして転職したのか?
人と比較して優越感を得るためか?
違う。
自分は「プロといえるスキル」がほしくてITに来た。
周囲との差は才能の差ではなく、積み上げの差。
ならば、自分にできることは明確でした。
基礎を飛ばさないこと。
ただし、本気でそれに向き合えたのは3年目からでした。
逃げないという選択
正直に言います。
1年目から意識が高かったわけではありません。
毎日必死でした。
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迷惑をかけないこと
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不要な人材と思われないこと
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目の前の作業をこなすこと
それだけでした。
帰宅後は疲れて寝る。
休日は回復するだけ。
それでも、ひとつだけ守ったことがあります。
逃げないこと。
分からなくても現場に立ち続ける。
障害に向き合う。
会議に出る。
1年目は「成長」より「耐久」でした。
2年目:劣等感のピーク
2年目になると、仕事は少し回せるようになります。
でも、周囲との差は縮まりません。
むしろ、より鮮明になります。
年下でも優秀な人はどんどん伸びる。
自分は「まだ難しいかと思います」と言われる側。
この頃が、一番きつかった。
それでも分かったことがあります。
自分は理解が遅いのではない。
基礎が体系的に整理されていないだけなのだと。
3年目:ようやく基礎に向き合う
本当に意識が変わったのは3年目でした。
2012年。
やっと、自分の弱点を正面から見ました。
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OSの仕組みをきちんと理解していない
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ネットワークを雰囲気で捉えている
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ログを「読んでいる」のではなく「眺めている」
だから周囲との差が埋まらない。
そこで初めて、基礎を体系的に整理し始めました。
本を読む。
ノートにまとめる。
仕組みから理解する。
ここからやっと、本当の意味での「積み上げ」が始まりました。
本当の最初の3年とは
未経験の最初の3年は、
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1年目:圧倒的な差と、耐える日々
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2年目:劣等感と向き合う
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3年目:基礎を固める覚悟を決める
この順番でした。
最初から戦略的に動ける人は少ない。
でも、3年目で方向を修正できれば遅くありません。
劣等感は、逃げなければ武器になります。
まだ進化は止めない。
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